【朝ドラ「あんぱん」第130話レビュー】「崇さんはうちのアンパンマンや」 崇とのぶ感動の最終回

#朝ドラ「あんぱん」レビュー 公開日:2025.09.26

2025年9月26日(金)に放送されたドラマ『あんぱん』第130話。のぶ(今田美桜)の手術から1週間後、崇(北村匠海)が病院へ迎えに行くと、のぶの病室にはアンパンマンやドキンちゃんのぬいぐるみが溢れかえっていました。のぶは看護婦さんやお医者さんが喜んでくれるからと、入院中にたくさんぬいぐるみを作り、みんなに配っていたのです。

 

消えゆく命とあふれる愛

病院からの帰り道、のぶがふと崇に話しかけます。「崇さん…。大丈夫? うちがおらんなっても…大丈夫?」と、自分の余命の少なさに気付いているのぶ。思わず「何言ってんだよ」と言う崇ですが、「うちの命…あとどればあなが?」というのぶに、何も言い返せませんでした。

自宅に帰ると、庭を見ながら「今年の桜は一緒に見れんかもしれんね」とつぶやくのぶ。崇は「そんなことないよ」と言うと、体に良いと言われたものは片っ端から試してみようと、のぶを励ましました。

「崇さんは、ほんまに優しい。こんなに優しい人がおるらあて…その人のおかみさんになれるらあて…うちは世界一、幸せもんちゃ」と笑顔で語りかけるのぶ。しかし、崇は悔しそうな顔で「どうしてそんなこと言うんだよ」とつぶやき、「僕は、のぶちゃんの病気にも気付いてあげられなかったし、こんなときだって心配かけてる。情けないよ」と言いました。

崇の言葉を聞き、「そんなことない」というのぶ。「崇さんは、いつもうちの心を明るく照らしてくれた。お父ちゃんが亡うなったときも…自分が生きちょってえいがか分からんなったときも…どんなときも恰好つけんと、弱い自分を見せてくれた。やき、うちは救われたがよ。そういう、たっすいがーの崇が大好き。あと少ししか一緒におれんけんど、どんどん溢れてくるがよ。うちのこの体は…崇の愛でいっぱいちや」と、崇に優しく笑顔で語りかけました。

崇は思わずのぶを抱きしめ、自分に何かできることは無いかと尋ねます。すると、のぶは崇が初めて書いた歌詞でアンパンマンの歌をうたってほしいとリクエストしました。「そうだ うれしいんだ 生きるよろこび たとえ いのちが終わるとしても」。“命が終わる”というフレーズに言葉が詰まる崇。しかし、のぶは崇が歌に込めた想いがようやくわかったと言い、「うちのこの残りの命、崇さんにあげるきね」とほほえみました。

笑顔で「わかった」という崇。しかし、崇の目からは涙があふれ出ていました。

 

アンパンマン、空を飛ぶ

奇跡的に余命宣告を受けたあとも5年間元気に暮らし続けたのぶ。のぶはその期間、変わらず子どもたちにアンパンマンを読み聞かせる生活を続けていました。読み聞かせ中ののぶのもとへやって来た崇に、「アンパンマンの先生だ!」と群がる子どもたち。誰も見向きもしなかったアンパンマンを、今は多くの子どもたちが愛してくれて、当たり前のようにアンパンマンの歌をうたってくれる。その姿にのぶは目を潤ませました。

SNSでは『あんぱん』の最終回に涙が止まらなかった視聴者から、「今後アンパンマンの歌を聴いたら泣いてしまう」「最高の最終回だった! 涙が溢れました」などのコメントが。のぶと崇の愛が生んだアンパンマンの物語は、多くの人の心の中でこれからも生き続けていくでしょう。