【朝ドラ「あんぱん」第97話レビュー】不器用な母の愛情に涙! 登美子とのぶ、嵩をめぐる2人の想い

#朝ドラ「あんぱん」レビュー 公開日:2025.08.18

2025年8月12日(火)に放送されたドラマ「あんぱん」第97話。初めて互いの本音を明かすのぶと登美子の様子が描かれ、視聴者の間で「これからもっと嫁と姑としていい関係を築けていけたらいいな」「深い愛情を感じられた回でした」と話題になりました。

 

登美子の自宅へ謝罪に向かうのぶ

思うように漫画の仕事が取れない嵩と、鉄子の秘書をクビになったのぶ。仕事が上手くいかない2人は、互いにその事実を伝えられずにいました。その最中、のぶは登美子が暫く家へ来ていないことを案じます。以前自分が放った「もう僕たちの人生に立ち入らないでくれ」という言葉が原因だと考える嵩。のぶは、単身登美子の自宅へ謝罪に行くことを決めるのでした。

後日、登美子の自宅を訪れたのぶ。予想以上の豪邸に圧倒されつつも、登美子へ真摯に謝罪します。「いいのよ。私も立ち入りすぎました」と静かに答えた登美子は、本来嵩に養われて然るべきのぶが、何故嵩を支えようと必死になるのか問いました。のぶの心にあったのは、亡き父の「女子も遠慮せんと大志を抱け」という言葉。その言葉を基に見つけた「『逆転しない正義』を嵩と共に探す」という人生の目標。笑顔で語るのぶの『大志』に「また夢みたいなこと言って……」と呆れる登美子へ、のぶは「お義母さんの夢は何ですか?」と尋ねます。

 

明かされる登美子の本音に思わず涙……

登美子の夢。それは遠い昔、1人目の夫・清が存命だった『あの日』に帰ることでした。「短い間だったけど、幸せだった」と語る登美子に、何も言えなくなってしまうのぶ。「あの人がいなくなってから…… 胸に空洞が出来て、風が吹き抜けていくのよ」と震える声で零された言葉は、嵩にさえ知らされていなかった登美子の本音でした。

登美子の本音を正面から受け止めたのぶは、「嵩さん、言ってました。『あの日、母さんは泣いてたんじゃないか』って」と伝えます。かつて自分を捨てた母に対し、尚も母の気持ちを慮る優しい嵩の言葉。涙を流す登美子は、清によく似た嵩と清をどうしても重ねてしまうのだと口にするのでした。「あんな日はもう二度と来ないのに」と理解しつつ、それでも戻りたいと願ってしまう清との日々。亡き夫との幸福な日々は、数十年が経過した現在も登美子の心の支えであり、同時に切ない記憶となっています。

「忙しい嵩に余計な心配をかけたくない」という理由で秘書をクビになったことを嵩に伝えられないでいるのぶ。しかし登美子は、「大丈夫よ、きっと。早く嵩に話しちゃいなさい」とのぶの背中を押します。またお茶を飲みに来ても良いか尋ねるのぶに対し、「もちろん」と笑顔を見せるのでした。

ネットでは「登美子さんの気持ちよくわかる回でした。1番大事にしてる事をずっと抱えて生きて来たんだな」「登美子さんの思いに大感動。愛に満ち溢れた母親だなとやはり思いました」「愛情表現が不器用な母と息子だが心は通じ合っている」といった声が続出。不器用な優しさを秘めた嵩の母・登美子の深い愛情に思わず涙した人が多かったようです。今後、登美子と嵩の親子関係が改善されていくことを祈りましょう。