【朝ドラ「あんぱん」第86話レビュー】「何年かかっても、何十年かかっても、二人で答えを見つけてみい」東海林からのはなむけの言葉を胸に、嵩はのぶのもとへ

#朝ドラレビュー 公開日:2025.07.28

2025年7月28日(月)に放送された朝ドラ『あんぱん』では、ついに思いを通わせ合ったのぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)を周囲の人々が応援する姿、そして嵩が一念発起して高知新報を退社し、東京にいるのぶのもとに向かう様子が描かれました。

 

スマホのない時代の遠距離恋愛は大変! ポーカーフェイスの世良ものぶをアシスト

お互いの気持ちを確かめ合ったのぶと嵩。しかし、東京と高知で離れて暮らす2人はなかなか会う機会を持つことができません。のぶと嵩が再会したのは、思いを通わせ合ってから3ヶ月後のことでした。

のぶは、高知を地盤とする薪鉄子代議士(戸田恵子)の選挙運動のため高知に帰郷。選挙運動を手伝うのぶは、薪代議士の演説を取材する嵩と顔を合わせますが、2人とも仕事中なので親しく言葉を交わすことはできません。のぶの表情は、どことなく寂しそうです。

演説後、有権者と握手を交わす薪代議士の横で挨拶をするのぶに、事務補助員の世良(木原勝利)は「30秒だけ時間をあげます」と声をかけて唐突にカウントダウンを始めます。あっけにとられた様子ののぶでしたが、すぐに一礼して嵩のもとへ駆け寄りました。

世良のアシストのおかげで、嵩と言葉を交わすことができたのぶ。メールも電話もない時代に遠距離恋愛をしているのぶと嵩にとって、直接会って話をするひとときは何より嬉しかったことでしょう。

 

東海林に背中を押され、のぶと逆転しない正義の答えを探す

後日、『月刊くじら』編集室で仕事中なのに思いつめた様子の嵩。どうやら嵩は、東海林編集長(津田健次郎)の出勤を待っているようです。

東海林が姿を現すと、嵩は席を立ち「お話があります」と切り出しました。東海林は、嵩の言葉に被せるように「うち辞めて東京行くがか。だめや。それは許さん」と吐き捨てるように言い放ちます。

取り付く島もない様子の東海林に、嵩は地震のときのことに言及しつつ「自分は記者失格だと思い知らされました」と切り出しました。嵩はさらに言葉を重ねようとしますが、東海林はそれを許しません。嵩は、表情を曇らせ頭を下げるばかりです。

すると、一転して表情を柔らかくした東海林は「のぶと一緒になるなら仕事よりも大変な使命がある」と語りかけるのでした。高知新報の入社試験で、のぶと嵩の面接官をそれぞれ務めた東海林。嵩、そしてのぶも面接で語った逆転しない正義について触れ、「何年かかっても、何十年かかっても、二人でその答え見つけてみい」と強いまなざしではなむけの言葉を送ります。

公式Xのコメント欄には、「のぶと嵩、どちらも東海林さんは面接官でしたね。2人にとって、最高のはなむけの言葉!」「編集長のまなざしと言葉に涙が出ました」「部下のことをよく見ている素敵な上司ですね」など、視聴者からの感動の声が寄せられました。

東海林のエールを胸に、嵩は上京してのぶのもとへ。のぶの自宅で食卓を囲む2人は、ぎこちないながらも幸せそうです。突然、そこへ嵩の母の登美子(松嶋菜々子)が現れました。のぶと嵩の東京での暮らしから、ますます目が離せません。