【朝ドラ「あんぱん」第84話レビュー】「なくてはならん人ながです」崇の大切さに気付くのぶ

#朝ドラ「あんぱん」レビュー 公開日:2025.07.24

2025年7月24日(木)に放送されたドラマ「あんぱん」第84話。西日本で発生した大地震で甚大な被害を受けたのぶ(今田美桜)の故郷・高知県。家族や崇(北村匠海)の安否がわからず仕事も手につかないのぶは、無意識に崇の名前をつぶやきます。どうして崇のことばかり浮かぶのか… 当たり前の存在の大きさに、やっと気付くのぶでした。

 

失いそうになって初めて気付く崇の大切さ

地震から2日経過しても通信手段が復興しない高知県。その状況に居ても立ってもいられなくなったのぶと鉄子(戸田恵子)は、高知県へ帰ろうとします。制止する世良(木原勝利)に対し、「高知生まれやないあんたに、何がわかるがで!」と言い返す鉄子。しかし、20年前に発生した関東大震災の被災者である世良は、震災後に3日間続いた火事を未だに覚えていることを告げ、高知県では加えて津波の被害も出ていることから、「冷静になってください」と2人を諭すのでした。

仕事の帰り道、家族や崇の安否が心配で仕方が無いのぶは、ガード下で八木(妻夫木聡)に「あいつは死にゃあしないよ」と声を掛けられます。戦地で飢えやマラリアに苦しんだものの、生き延びた崇の話を八木から教わるのぶ。壮絶な経験をしたにも関わらず、苦労話を一切せず自分を元気づけてくれた崇を思い出し、のぶは「うちには… なくてはならん人ながです。ほんまにバカですね。今頃気が付くらあて」とこぼします。

「失いそうになって初めて気付くこともある」と返す八木。のぶはここに来てやっと、崇の存在の大きさに気付いたのでした。

 

電話越しに溢れるのぶの想い

高知新報で東海林(津田健次郎)や石清水(倉悠貴)、琴子(鳴海唯)が崇の安否を心配しているなか、ひょっこり出社してくる崇。驚きの表情を見せる面々に対し、崇は「ずっと徹夜続きだったので、うちで寝てました…」と間の抜けた挨拶をします。「こればあ大災害やっちゅうのに寝よったやと!? おんしゃあそれでも新聞記者か!」と東海林は渇を入れますが、崇が生きていたことに全員が安堵したのでした。

震災から1週間、やっと高知県の通信手段が復興します。鉄子や世良から「1週間に4回も崇の名前をつぶやいていた」と指摘されたのぶ。崇へ電話をかけるよう急かす鉄子とのぶが押し問答していると、高知新報の電話を借りた羽多子(江口のりこ)から、朝田家全員の無事を知らせる電話が入りました。

家族の無事を聞いて一安心しますが、崇の安否を羽多子に聞けずモジモジするのぶ。すると、受話器の向こうから崇の元気そうな声が聞こえてきました。崇から「ずっと寝てたんだ」とまさかの言葉を聞き、「どればあ心配したと思っちゅうがで!」と思わず怒り出すのぶ。続けて「あんたらあて一生起きんでえい! 一生寝よれ! ほいたらね!」と言い残し、思いっきり電話を切ります。しかし、心底安心したのぶは心の中で「ほいたらね」と優しくつぶやいたのでした。

SNSでは「素直じゃないんだから」「崇くんへの愛情表現が怒り爆発で、のぶちゃんらしい」と、のぶのツンデレ具合にクスッとした視聴者も多かった様子。2人の関係が進展する日は近そうですね。