【朝ドラ「あんぱん」第82話レビュー】「覚えておけ。きれい事だけでは、何も解決しない」 東京で直面した現実を前に、のぶはどう行動するのか

#朝ドラレビュー 公開日:2025.07.22

2025年7月22日(火)に放送されたドラマ「あんぱん」第82話。東京の代議士・薪鉄子の下で働き始めたのぶの新生活と彼女を想う嵩の葛藤が描かれ、視聴者の間で「新聞社よりも過酷な生活になりそうだ」「千尋の分まで兄の嵩には幸せになってほしい」と話題になりました。

 

のぶを愛した2人に「一生かなわない」嵩の葛藤

8年前、のぶに突き返されたプレゼントのハンドバッグを今も渡せないままでいる嵩。「どういていっぺんもお姉ちゃんに気持ちをぶつけんがですか?」と尋ねる蘭子に、嵩は「僕の気持ちは、どうでもいいんです」と答え俯きました。困惑する嵩を見て、「嵩君は優しいき、今も次郎さんに気兼ねしちゅうがよね?」と助け舟を出す羽多子 。実は嵩は、次郎だけでなくもう1人「かなわないやつ」がいると感じていました。

嵩の弟であり、生前のぶを愛していた千尋。彼が戦地へ向かう前に遺した「愛する国のために死ぬより、わしは……愛する人のために生きたい!」という心からの言葉が、今も嵩の心に突き刺さっていました。千尋を差し置きのぶへ告白することを躊躇する嵩。「僕は……千尋には一生かなわない」と零す彼に、朝田家の3人は何も言えぬまま黙り込むのでした。

 

難航する東京での新生活に、のぶは……

一方ののぶは、鉄子の事務所へ初出勤。議員との電話を終え慌ただしく演説へ向かう鉄子に連れられ、のぶは休む間もなく各所を駆けまわることに。「徹底的に浮浪児の話を聞いて回り、政策作りの参考となる話を鉄子へ提案する」ことを求められたのぶは、汽車の音が響くガード下のあばら家で新生活を開始しました。

浮浪児への聞き込みの最中、盗みの疑いで八百春に捕まったアキラと再会したのぶ。アキラを庇い八百春に因縁をつけられた彼女を助けた八木へ、改めて礼と挨拶に向かいます。嵩の漫画を通し穏やかに言葉を交わす2人ですが、八木はのぶの真っ直ぐさを案じた様子。のぶに「覚えておけ。きれい事だけでは、何も解決しない」とアドバイスをし、八木はその場を去っていきました。

戦後の東京では、心に深い傷を負った浮浪児と戦後の復興に勤しむ人々が生きるため必死になっています。荒城の月がハーモニカで奏でられる中、再びアキラと再会したのぶ。狩りこみに来た警官に施設へ送られそうになるアキラを庇ったのぶに、ようやく心を開くアキラ。月刊くじらを読んでいたアキラは、嵩の描いた表紙を指さしながら「おねえちゃんにも似てるよ」と無邪気に言い残します。

のぶの波乱に満ちた東京生活の幕開けと嵩の葛藤に、ネットでは「いろいろ訴えかけてくるドラマだ」「次郎さんも千尋くんものぶの幸せを願ってるはずだから、嵩がのぶを幸せにしてあげてほしい」「八木は嵩にとってものぶにとっても救世主であり、清濁併せ飲んた世間を教えてくれる偉大な先輩」といった声が続出。様々な想いを抱きながら戦後を生きるのぶ達の今後がどのようになっていくのか、明日の放送が待ち遠しくなりますね。