【朝ドラ「あんぱん」第77話レビュー】鉄子と八木・2人の正義! のぶの決断が新たな運命を呼ぶ

#朝ドラレビュー 公開日:2025.07.15

2025年7月15日(火)に放送されたドラマ「あんぱん」第77話。東京取材を経たのぶが下した決断とそれを後押しする嵩の様子が描かれ、視聴者の間で「アイデンティティを尊んで認めてくれる人がいるってすごく素敵なこと」と話題になりました。

 

闇市で見つけた「隠れた善意」! 八木に感銘を受けるのぶ

取材目標であった女性代議士・薪鉄子の取材を無事終えた嵩とのぶ。闇市で2人は、嵩が兵役に就いていた頃の恩人・八木上等兵と再会します。闇市の子供たちへ食事と知識を授ける八木に、話を聞こうとするのぶ。しかし八木からは「ブン屋は女代議士でも取材してろ」とつれない回答が。飢餓対策へ果敢に取り組む鉄子を話題に挙げたのぶに対し、「腹がいっぱいになれば、それでいいのか」と問い掛けた八木は、そのまま立ち去ってしまうのでした。

残された嵩とのぶは、その後も八木について闇市で取材を続けます。闇酒を売って稼いだ金をつぎ込み、子供たちの食事と教育を手助けしていた八木。高知に帰ったのぶたちは、東京での取材結果を元に原稿を必死に書き進めます。果たして、どのような記事が完成するのでしょうか。

 

東京取材を終えたのぶが下した決断とは

原稿締め切り当日、のぶの書いた記事に困惑する東海林。のぶの記事には、本来特集で取り上げるはずだった鉄子の取材結果が一切書かれていなかったのです。「なんな?これ」とのぶを問い質す東海林に対し、のぶは意を決したように自分の考えを伝えました。

「薪鉄子先生はすばらしい志を持たれた方」と評価した上で、高知出身の政治家をたたえる記事が彼女の政治家としての考えに相反すると判断したこと。その上で「今伝えるべき記事は、こういう隠れた善意の人のことらあやないか」と述べたのぶに、反論することなく考え込んだ東海林。「断固ボツにしないでください」と重ねて頼み込んだ嵩の言葉にも背中を押され、最終的に彼はのぶのアイデアを採用することに決めました。

こうして無事発売された『月刊くじら』。嵩が手掛けた表紙に描かれていたのは、なんとのぶの顔でした。「これで鈍いお姉ちゃんも、嵩さんの気持ちにやっと気付きますよね?」と喜ぶメイコ。しかし、肝心ののぶからの反応は一切ありません。

焦れた琴子がのぶへ「表紙についてどう思うか」と問い掛けるも、「構図が大胆で、えい表紙やと思います」と自分がモデルとは一切気付いていない回答が。「拍子抜けですね」「表紙だけに」「うるさいな岩清水」という琴子と岩清水・東海林のコミカルな掛け合いが秀逸です。

話の最後には、鉄子からの怒りの電話が。「この1本の電話が、のぶの運命を大きく変えることになる」というナレーションで締めくくられます。ネット上では「鉄子からの電話の内容が気になる……」「同僚はみんな気がついているのに、のぶちゃんったら鈍感なんだから~」「とても愛がある表紙ですごくほんわかしました」といった声が続出。変わっていくのぶの運命と嵩との関係に、今後も目が離せなくなりそうですね。