【朝ドラ「あんぱん」第76話レビュー】どん底から這い上がってみんなで笑いたい! ガード下の女王の思いに揺れるのぶ

#朝ドラレビュー 公開日:2025.07.14

2025年7月14日(月)に放送された朝ドラ『あんぱん』では、のぶ(今田美桜)と嵩(北村匠海)がどん底で生きる人々に寄り添う女性代議士・薪鉄子(戸田恵子)に取材をし、その姿勢に感銘を受ける様子が描かれました。

 

一番困っちゅう人らあの生の声を聴くために

東京出張最終日、ついにガード下の女王と呼ばれる代議士・薪鉄子の居場所を突き止めたのぶと嵩。そこにいたのは、おでんでお腹を壊した『月刊くじら』編集室の面々を助けてくれた女性でした。

薪は渋々ながらも取材に応じ、政府は今日を生きるのに精いっぱいの人々に目を向けるべきだと訴えます。「先生はなぜガード下に?」と尋ねるのぶに、薪は「一番困っちゅう人らあの生の声を聴くためや」と明言しました。

いちばん弱い立場の人に寄り添おうとする薪の姿勢に、演者の戸田恵子さんが声優を務めるアンパンマンの姿を重ね合わせる視聴者が続出。公式Xのコメントには「まさにアンパンマンそのものだ」という賞賛の声が寄せられました。

 

ガラの悪い男たちに絡まれたのぶを嵩がかばう!

薪の取材を進める中、のぶと嵩は困っている人々が身を寄せ合っている雑居部屋を訪れます。薪に対して窮状を訴える人々の話を速記で書き留めるのぶ。

そこにガラの悪い男たちが金の無心に現れ、女性を連れ去ろうとします。騒然とする中、のぶは現場の写真を撮って「新聞に載せますきね!」と声を荒げるのでした。勇敢にも抵抗したのぶでしたが、大きな声で男たちに脅されて思わず顔を引きつらせます。嵩はのぶをかばうように割って入り、毅然と男に立ち向かいました。

薪は、勇敢で機転が利くのぶに興味を持ち、胸襟を開いて思いを語ります。どんな手を使ってでも目の前に困っている人がいたら助けたい、どん底からみんなで這い上がっていつか笑い合いたいと強く語る薪。

薪からこれから何をしたいのかと問われたのぶは、まだやりたいことは見つかっていないこと、一度間違えてしまったので周りに流されずに自分の頭で考えたい、と答えるのでした。別れ際、自分のところで働かないか、と薪はのぶに声を掛けます。

薪のもとで働くのかと嵩に問われて否定しつつも、のぶはぼんやりとした様子。突然、後ろからぶつかってきた戦災孤児の少年に、次郎(中島歩)の形見のカメラをひったくられてしまいました。のぶと嵩は、慌てて少年を追います。

少年を捕まえてカメラを返してくれたのは、戦場で嵩の支えとなってくれた八木上等兵(妻夫木聡)でした。八木は少年を諭し、戦災孤児たちにコッペパンを与えながらゴーリキーの『どん底』を読み聞かせます。嵩は、どこか懐かし気にその姿を見つめるのでした。